スタディーアドバイスの術

AO入試の善し悪し

四谷学院では慎重な対応を心がけている。まずはその生徒の本心や学力、将来への希望、家庭の事情などを確認するのである。「もちろんその大学がほんとうに行きたい大学であれば、全面的にサポートします。しかし、安易に推薦に逃げようという姿勢には賛成できかねます」と浜中部長は言う。事実、推薦入試を希望する生徒たちに理由を聞いてみると、「早く受験を終わりにしたいから」とか「とくに行きたい大学ではないけれど、そこなら推薦で入れそうだから」「友達がみんな推薦で決めてしまうから」などと口にする生徒のほうが多いのだ。そのような理由で大学を決めてしまったら、将来、深く後悔することにもなりかねない。大学の中退者はここ数年、増加の傾向にあり、05年の調査では6万人以上にものぼる。理由としては、進路変更のために中退する学生がいちばん多いという。そのような事態を避けるためにも、安易に進路を決めてしまうようなことは避けなければならない。推薦入学の枠があまりに広がり過ぎた結果、大学生の学力低下や授業の質の低下など弊害のほうが問題となっている事実も見逃せない。最近では逆に推薦枠を縮小したり、AO入試を廃止したりする大学も出てきているほどだ。万が一、推薦入試に失敗した場合の心理的ショックと、その後に受ける一般入試への影響も考えておかなければならない。

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苦手な英語も克服し、得意な国語と世界史を強化できただけでなく、精神的なサポートも大きかったと思います。55段階のみの受講で「奇跡の」早大法学部現役合格この章ではとくに現役生の受験勉強に焦点を絞って述べるが、最初にチャン建東くんの事例を紹介しよう。四谷学院では、最後まで55段階のみの受講で、志望校に現役合格した生徒が多い。早大法学部に合格したチャンくんもその一人である。高校3年になって四谷学院に入学するまで、チャンくんは受験についてまったく考えていなかった。私立高校のサッカー部に所属していたため、毎朝5時過ぎに起きて朝練に参加し、放課後もまた練習。文字どおり「部活に明け暮れる毎日」だった。勉強はまったくしていない。四谷学院の説明会に参加した時点で私立文系を志望することだけは決まっていたが、具体的な志望校も受験科目も決まっていなかった。対応したスタッフは「サッカーが日常生活のすべてで、勉強する習慣がついていない」という印象を受けた。一緒に来校したお母さんは、「MARCHに合格できれば大満足」と口にした。部活を続けるために、チャンくんは55段階のみの受講を決めた。重点科目は政経と古典である。政経はゼロからのスタートだったし、古典は学校の授業にもついていけず「わけのわからない」状態になっていた。担任となった高木先生は、チャンくんにこんなアドバイスをした。